ビタミン系サプリは天然型・合成型に分かれる。
ビタミン系サプリメントは自然界にある植物や動物・鉱物から栄養を抽出した栄養素を凝縮して作った『天然型サプリ』と、本来は身体の中に存在しない「異物」を合成している『合成型サプリ』に分かれます。
天然型と合成型の見分け方
天然型は表示の先頭に「d」が付きます。例)d-a-トコフェロール(ビタミンE)
合成型は表示の先頭に「dl」が付きます。例)dl-a-トコフェロール
さらに、オーガニックな物ですと「食品名」や「産地」まで記載があるものもあります。
↑ニューサイエンス社のマルチビタミンの表記
天然サプリのメリット
1.高品質
野菜や果物などの栄養素がバランスよく入っているので、一緒に含まれる成分同士の相乗効果が期待できます。
2.吸収率の良さ
栄養成分が身体に馴染みやすい生体内物質由来で、身体への消化・吸収率が高く身体に無理なく吸収できます。
自然食品からのビタミンやミネラルは天然のタイムリリース効果があり、合成成分よりも長く体内で活性を保ちます。多くのサプリメントは摂取してもすぐに尿から排出してしまう為、吸収から効果を得る前に排出されてしまうので長く留めておく必要があります。
天然のタイムリース効果のあるサプリメントを摂取することで、ビタミンやミネラルの効果を最大限まで活かすことができます!
3.安全性の高さ
合成型と違い、人工的な栄養素が含まれないので身体に無理なく吸収されるので負担が少ない。
天然型のデメリット
1.農薬の混入の可能性がある
栽培方法によっては農薬が使われている場合があります。
2.値段が高い
比較的効果で、1ヶ月3,000円程が当たり前です。
3.容量が多い
高濃度にするのが難しく、合成サプリに比べると大きかったり飲む量が多くなってしまいます。
4.味
色が濃く、味のクセが強かったりする。
合成型のメリット
1.低価格
人工的な合成栄養素を使うことで仕入れの安定などで原価を抑えられます。
2.標準化
規定表通りに一定の基準を維持するのが容易です。
合成型のデメリット
1.副作用
疫学調査で、癌になりにくい人の食生活を調べると野菜の摂取量が多いことが明らかとなり、その中でもβカロチンの摂取量が多い方が癌になりにくいとわかりました。そこで1994 年にフィンランドで男性喫煙者 2 万 9,000 人を対象にした大規模な栄養介入試験が行われました。 合成ベータカロテンを与えるグループとプラセボ(心理的な要因をなくすために合成ベータカロテンに見 せかけた偽薬)を与えるグループとに分けて、5~8 年間に肺ガンになる人を追跡しました。結果は、合成 ベータカロテンを与えたグループの方が、プラセボのグループよりも肺ガンになる人が多かったのです。 また、その後アメリカでも同様の試験が行われて、同じ様な結果がでました。 これらの臨床試験は結果的に肺ガン患者を人為的に生み出すこととなり、倫理的問題から試験を途中で止めたほどです。 当然この結果は別の意味で世界中を驚かせ、『フィンランドショック』と呼ばれる様になりました。
2.成分
分子の合成が複雑なものほど天然に近い物が作れない為、効果が低くなると言う研究結果があります。身体に有害な化学物質が含まれている場合もあるので注意が必要です。
3.吸収率の低さ
分子自体が合成の方が大きく吸収しづらいうえに、元々身体にない成分でもあるので摂取しても体内での吸収率は低い傾向にあります。
イメージで言うと、靴を左右逆に履いているように細胞に上手く適用できないと言う説があります。
複雑な構造のビタミンほどその傾向は強いです。
ワシントン大学の研究では、複雑な合成サプリを飲んでも細胞内の受容体が合成物を跳ね除けるので摂取しても吸収されずに体外へ排出されてしまい、体内で機能しないことが判明しました。
まとめ
合成型サプリメントを摂取する前に、まずは食事から摂取する努力から始められると良いと思います。
そこで摂取しきれないようであれば、吸収率や安全性の観点から『天然型サプリ』を摂取しましょう。